共通テスト後の志望校最終決定―前期・後期・私立まで含めた、後悔しない出願判断の考え方―
共通テストが終わると、いよいよ志望校を「最終決定」する段階に入ります。
これまで時間をかけて悩んできた志望校を、ここで一気に決めなければならないため、不安や迷いを感じる人も少なくありません。
この記事では、自己採点結果やボーダーライン、入試動向分析を踏まえながら、
• 国公立前期
• 国公立後期
• 私立大学
この3つをどのような考え方で最終決定していくべきかを整理していきます。
自己採点の方法とボーダーラインの見方については以前の記事にまとめています。
共通テストの点数は「絶対評価」ではない
まず、共通テスト後に必ずお伝えしたいのは、
点数そのものだけで合否を判断しないことです。
目標としていた点数より低かった場合でも、全国的に平均点が低ければ、合格可能性は十分に残っています。
逆に、目標点を超えていたとしても、今年は平均点が高く、周囲の受験生も同じように得点している可能性もあります。
共通テストは「自分の点数」ではなく、その点数が今年の受験生の中でどの位置にあるかが重要です。
そのため、自己採点結果だけで一喜一憂するのではなく、必ずボーダーラインや動向分析と合わせて判断するようにしてください。
目標点より高かった場合に注意したいこと
自己採点をしてみて、目標点を超えていた場合、第一志望校への出願をほぼ決めている人も多いでしょう。
その判断自体は、基本的には間違っていません。
ただし、1点だけ注意してほしいことがあります。
それは、年度ごとに科目の難易度が異なるという点です。
特に理科・社会は、選択科目による難易度のばらつきが大きく、平均点に大きな差が出ると、点数調整が行われることもあります。
「目標点を超えた=安全」と早合点せず、必ず科目別平均点や点数調整の可能性を確認した上で、最終判断をしましょう。
動向分析もチェックした結果、問題なく合格ラインを超えていそうであれば、出願準備を進めると同時に、できるだけ早く二次試験対策に移行することが大切です。
ここからは、点数を伸ばすよりも「二次試験に向けた完成度」を高める時期になります。
目標点より低かった場合に考えるべき視点
一方で、自己採点の結果が目標より低かった場合は、いくつかの視点から冷静に整理していく必要があります。
まず最も重要なのは、志望校・学部の共通テストと二次試験の配点比率です。
大学によって、この比率は大きく異なります。
• 共通テスト比率が70%前後と高い大学
• 共通テスト比率が20%を下回る大学
• 共通テストは足切りにのみ使用する大学
同じ国公立大学でも、仕組みはさまざまです。
二次試験の配点が高い大学では、共通テストで思うように点数が取れなかったとしても、ここからの巻き返しが十分に可能です。
一方で、共通テスト比率が高い大学の場合は、残された期間での逆転は難易度が高くなります。
だからこそ、自己採点結果をもとに、慎重な判断が必要になるのです。
ボーダーラインの「C判定」をどう捉えるか
ボーダーラインは、一般的にC判定で合格率40〜60%とされています。
この数字をどう捉えるかが、最終決定の大きなポイントになります。
「C判定だから無理」と思う人もいれば、「C判定でも挑戦したい」と考える人もいるでしょう。
どちらが正しい、ということはありません。
大切なのは、
• その大学にどれくらい行きたいのか
• 二次試験でどこまで得点を伸ばせそうか
• 現役にこだわるのか、浪人も視野に入れるのか
といった要素を総合的に考えることです。
ボーダーラインは幅が広く、数字だけを見ても判断が難しいケースも多くあります。
才華學舎では、自己採点結果と過去のデータをもとにした分析も行っています。
一人で判断が難しい場合は、第三者の視点を取り入れるのも一つの方法です。
「現役にこだわるかどうか」で基準は変わる
志望校最終決定では、現役合格にこだわるかどうかも、大きな分かれ道になります。
「どうしてもこの大学・学部で学びたい」
「浪人してでも第一志望に進学したい」
そう考えている場合は、多少リスクがあっても第一志望を受験する選択もあり得ます。
一方で、
「現役での進学を優先したい」
「できれば浪人は避けたい」
そう考えている場合は、出願校を現実的なラインに調整する判断も必要になります。
どちらを選ぶにしても、中途半端な気持ちで決めてしまうことが一番後悔につながりやすい、ということは覚えておいてください。
志望校を変更するなら「何を優先するか」を明確にする
動向分析や配点を踏まえ、「志望校を変更した方が良さそうだ」と感じる人もいるかもしれません。
その場合に大切なのは、変更する理由を自分の中で言葉にできることです。
• 取得できる資格を優先したい
• 学びたい分野を重視したい
• 大学名にこだわりたい
• 自宅から通えることを重視したい
第一志望校を選んだとき、必ず何かしらの理由があったはずです。
共通テストの点数だけを理由に、「なんとなく似た大学」に変更してしまうと、二次試験までのモチベーションや、入学後の大学生活にも影響が出やすくなります。
自分が大切にしたい軸を思い出し、本当にやりたいことができる大学なのかを確認した上で、志望校を決めてください。
国公立後期入試の考え方
後期入試は、前期入試に比べて共通テストの配点比率が高い大学が多いという特徴があります。大学によっては、共通テストの結果が合否に大きく影響し、二次試験は小論文や面接のみというケースも少なくありません。
小論文や面接といった試験形式は、受験生同士で大きな点差がつきにくく、逆転が起こりにくい試験でもあります。そのため、後期入試では「共通テストの点数」を軸にして受験校を決めることが重要になります。
特に、前期入試で第一志望校にチャレンジする場合は、後期入試は安全圏に出願するという考え方がおすすめです。
前期入試に全力を注ぎつつ、万が一に備える位置づけとして後期入試を考えることで、精神的な余裕を持って前期対策に集中できます。
後期入試は「逆転合格の場」として語られることもありますが、共通テスト比率の高さや試験形式を考えると、現実的には安全圏の確保として活用する方が、全体戦略として安定しやすいと言えるでしょう。
私立大学の考え方
次に私立大学は、国公立前期入試と並行して受験することになるため、その位置づけをはっきりさせておくことが大切です。
前期入試で第一志望校にチャレンジする場合、私立大学は「安全校のみ」「同レベルの大学のみ」に偏らせる必要はありません。
むしろ、安全校から少し挑戦的な大学まで、ボーダーラインに幅を持たせて受験校を選ぶことが重要です。
ただし、注意してほしいのは、共通テストから国公立前期入試までは約1ヶ月しかないという点です。
この期間は、本来であれば二次試験対策にもっとも時間を使いたい時期でもあります。
私立大学の受験校数を増やしすぎると、
• 移動による体力的な負担
• 過去問演習や対策に割く時間の減少
• 気持ちの切り替えがうまくいかない
といった問題が起こりやすくなります。
そのため、前期入試にしっかりチャレンジする場合、私立大学の受験校数は3〜5校程度に抑えるのがおすすめです。
対策負担が比較的軽い大学を中心に選びつつ、前期入試に向けた学習時間を十分に確保できるかどうかを基準に判断してください。
私立大学の合格は安心材料になりますが、それによって前期入試対策が手薄になってしまっては本末転倒です。
私立大学はあくまで「前期入試を全力で戦うための保険」として、位置づけを明確にしておきましょう。
前期・後期・私立は「セット」で考える
国公立前期・国公立後期・私立大学は、それぞれを独立して決めるものではありません。
三つは必ず連動しており、「全体としてどう戦うか」という視点で戦略を組み立てることが大切です。
• 前期でどこまでチャレンジするのか
• 後期でどれくらいの安全を確保するのか
• 私立でどれだけ負担を減らし、前期に集中できるか
これらを整理したうえで受験校を決めることで、残り1ヶ月の使い方が明確になり、迷いの少ない状態で二次試験に向かうことができます。
出願はゴールではなく、あくまでスタートラインです。
自分がもっとも力を発揮できる受験スケジュールを意識しながら、最終決定を行っていきましょう。
最終決定は「自信を持てる判断」で
共通テスト後の志望校最終決定は、短い期間で大きな決断を迫られる、精神的にも負担の大きい時期です。
だからこそ、自己採点・ボーダーライン・動向分析という情報を正しく使い、自分なりに納得できる判断をしてほしいと思います。
誰かに言われたからではなく、「これなら後悔しない」と思える出願こそが、二次試験に向かうあなたの大きな支えになります。
ここからは、次のステージに向けたスタートです。
残された時間を、自信を持って使っていきましょう。
詳しくはYouTubeチャンネル「教育嬢TV」でもお話ししています。ぜひご覧ください🙇♀️

受験メンタルトレーナー/チャイルドコーチングアドバイザー/JAPAN MENSA会員
地方公立中高一貫校から特色入試(AO入試)で京都大学薬学部に現役合格
中高時代は運動部の活動・個人研究・学業を両立
大学在学中は大手予備校の塾講師として勤務し、受験指導やメンタルサポートの経験を積む
卒業後は母校でアドバイザーとして高校生の指導、地元個人塾でカリキュラム作成、オンラインを中心とした受験コンサルティングも展開中






