京大特色入試合格者が語る!総合型選抜のすべて

総合型選抜、出願の時期が近づいてきていますね。

受験生の皆さんにとってはそろそろ出願の準備が気になってくる時期かと思いますので、今日は「総合型選抜」について、分かりやすくお話ししていきたいと思います。

私自身も、実は京都大学の薬学部を受験した時に、一般選抜ではなく、特色入試、つまり総合型選抜で受験しました。

その理由は、試験の成績だけでは測れない、自分の想いや魅力をきちんと伝えられるチャンスがあると感じたからです。

ということで今回は総合型選抜はどのような入試なのか、この入試のメリット、どのような人が向いているのかなど、総合型選抜の全てについてお話しします。

最後には総合型選抜の注意点やリスクについてもお話ししていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

私が京大特色入試を受けた理由

私が特色入試で京大を受けたのは、単純に「自分のことをもっと知ってほしい」と思ったからでした。

一般選抜は共通テストと二次試験の点数だけで決まってしまいますが、特色入試では、どんな人間か、どんな考えを持っているか、将来どうなりたいかまで見てもらうことができます。

ちなみに京大薬学部の試験内容は少し特殊で、小論文ではなく「論文問題」という名前の試験があり、英語で書かれた論文を読んで、それを日本語で答える形式の問題と面接試験がありました。

総合型選抜とは?

2021年度にAO入試から名前が変わった総合型選抜ですが、個性を大事にする時代の流れに沿って、総合型選抜を採用する大学も増えました。

後期試験を実施する大学が減る中で総合型選抜での入学者が急増し、今では代表的な入試方式の1つになっています。

出願は早ければ9月ごろから始まり、合格発表も11月から2月上旬にかけてと、かなり早めに受験が終わるのが特徴です。

そして何より、テストの点数だけではなく、学びたいという意欲、人間性、そして今持っている知識をどう活かせるかという部分まで評価の対象になります。

一般選抜は共通テストや2次試験を受けて、その点数で合格・不合格が決まりますよね。

数点差、1点にも満たない差で合否が分かれたりするので、かなりシビアです。

一方で、総合型選抜は、テストの点数だけで合否を決めるのではなく、学びの意欲や人間性、持っている知識をどのように応用できるかという部分まで含めて評価されます。

実際の試験としては、小論文や面接、学力試験やプレゼンテーションや英語面接、実技試験が課されることもあり、それぞれの大学が独自の形式で選考を行っています。

大学による試験傾向の違い

実際、大学ごとに試験の傾向は結構違います。

国公立大学では、共通テストの点数を課したり、英語資格を出願条件にしたりするところも多く、小論文も、いわゆる“作文”ではなく、専門的な内容を踏まえて答えるような試験が出る場合もあります。

一方で、私立大学、特に明治・青学・立教などいわゆるGMARCHクラスの大学では、プレゼン型の試験や、志望理由書をベースにした深掘り面接が多く、受験生の個性や考えを大事にしています。

どの大学を受けるにしても、しっかりとアドミッションポリシーを読み込んで、大学が求める人物像に合わせた対策をしていくことが大切です。

総合型選抜を受験するメリット

合格のチャンスが増える

私が特色入試での受験を決めたのはこの理由が1番です。

国公立大学の前期試験では1つの大学しか受けることはできませんが、総合型選抜を受験することで合格のチャンスを増やすことができます。

同じ大学を2回受けられるなら、それは最高のチャンスです。

自分に合う大学を選べる

志望理由書や面接の準備をする過程で、自分がその大学で何を学びたいのか、将来どうなりたいのかを深く考えることになります。

受験生のうちから大学のことをしっかり知っておけば、大学に入ってから思ったものと違う。自分には合わないというようなミスマッチを防ぐことができます。

逆に大学側も求める人材にあう受験生を見極める入試で、学力以外にも人間性や興味・考え方や実績を見て判断するため、受験生と大学、どちら側から見てもマッチする大学選びができます。

自分を知るきっかけになる

受験勉強に追われていると、立ち止まって、将来自分が何をしたいのか、自分の得意なものは何なのかを考える余裕を持てなくなることもあります。

その結果、自分が何をしたいのか、見失ってしまうこともあるかもしれません。

総合型選抜で、自分のアピールポイントや興味、今までやってきたことを考える中で、自分の得意なことや、伝えたい想いに改めて気づくことができます。

将来役立つスキルがつく

自己分析やプレゼン能力、コミュニケーション力といった、将来に役立つスキルも自然と身についていきます。

これらの能力は一般選抜に向けた受験勉強をしているだけではなかなか身につきません。

総合型選抜はそれらの能力が必要とされる入試なので、入試対策をしているうちに、将来役に立つスキルを身につけることもできます。

入試が早く終わる

周りの合格が次々と決まっていく前に、自分の受験生活を早く終わらせて安心したいという理由なら、総合型選抜を受験する人も多くいるようです。

総合型選抜は早くて年内、遅くても2月の初めには合格発表があるので、一般入試より1ヶ月以上早く大学入試生活が終わることになります。

総合型選抜に向いている人

まずは、得意なことややりたいことがはっきりしている人です。

一般選抜ではバランスの良い成績が求められますが、総合型選抜なら、苦手科目があっても、大学が求める力があれば合格できる可能性があります。

そして、魅力を伝える力がある人。どんなに実績があっても、それを伝える力がないと面接官には響きません。

相手に合わせて話す力、少し“盛って”話すテクニックも、実は大切です。

また、高校時代に勉強以外の活動をしてきた人も向いています。

部活、生徒会、地域活動、コンテスト参加など、そういった経験は強みになりますし、小さなことでも上手くストーリーに組み立てれば、十分アピール材料になります。

このような実績や能力は、一般選抜の共通テストや2次試験の点数からは、うかがうことができません。

こういった部分を重要視するために採用されたのが総合型選抜なので、学力以外にも自信があるものを身に付けている人には最適の入試です。

総合型選抜のデメリット・注意点

ただし、良いことばかりではありません。

志望校の分析から始まり、志望理由書の作成や小論文、面接の対策。

総合型選抜は準備に時間と労力がかかる入試でもあります。

特に、志望理由書や活動報告書などの書類作成には、思った以上に時間がかかるもので、私は実際、出願書類の完成に1ヶ月近くかかりました。

また、大学によっては入試日程が一般選抜直前の大事な時期にかぶってくるため、そちらの対策が疎かになる可能性もあります。

合否の結果が精神的に大きく影響して、共通テストや前期試験に集中できなくなるケースも実際に見てきました。

総合型選抜はチャンスを増やすための入試というお話をしてきましたが、チャンスを増やしたことによって、努力の時間が分散してしまい、一般選抜の対策時間が足りなくなってしまうというのでは元も子もありません。

だからこそ、総合型選抜を“チャンスを増やす手段”としてうまく活かしつつも、全体の受験戦略をしっかり立てる必要があります。

今回は総合型選抜についてお話ししてきました。

受験のチャンスを広げたい、学力以外の面で勝負したい、自分をもっと見てほしいと思っている人には、ぴったりの入試です。

その分、しっかり準備しないと逆効果になることもあるので、覚悟を持って取り組む必要があります。

悩んでいる方がいれば、実績の掘り起こしや対策のお手伝いもできますので、ぜひ一緒に頑張っていきましょう。

詳しくはYouTubeチャンネル「教育嬢TV」でもお話ししています。ぜひご覧ください🙇‍♀️

この記事を書いた人
ゆあ

受験メンタルトレーナー/チャイルドコーチングアドバイザー
地方公立中高一貫校から特色入試(AO入試)で京都大学薬学部に現役合格
中高時代は運動部の活動・個人研究・学業を両立
大学在学中は大手予備校の塾講師として勤務し、受験指導やメンタルサポートの経験を積む
卒業後は母校でアドバイザーとして高校生の指導、地元個人塾でカリキュラム作成、オンラインを中心とした受験コンサルティングも展開中

受験戦略編

Posted by kyoikujo