総合型選抜・学校推薦型選抜合格に向けて!面接のポイント
早い大学では10月に入ると、総合型選抜や学校推薦型選抜の2次選考が始まります。
共通テストや国公立入試の対策をしながらも志望理由書を書いたり、小論文や面接の対策をしたり、バタバタしている人も多いのではないでしょうか?
特に面接は練習の機会が少ないのにも関わらず配点が高い大学も多いので、対策の差がつく部分でもあります。
面接の形式
大学によって面接の形式も様々です。
受験生が1人の個人面接もあれば、受験生10人程度のグループ面接で順番に質問されたり、1つのテーマについて話し合うようなグループ面接もあります。
試験官の人数も生徒1人と面接官1人、グループ面接で面接官2人ということもあれば、私が京大の薬学部を受験したときは受験生1人に対して6、7人の面接官がいるような形式でした。
面接時間も5分程度の大学から30分以上の大学までそれぞれです。
私も自治医科大学の面接が周りの受験生よりも短く不安になったこともありましたが、その選考は通っていたので、面接時間によって評価が変わるということもないようです。
人数や時間を知っておくと心の準備もできるので、受験する大学に合格した先輩の体験談を見ておくと良いでしょう。
個人面接
受験生1人に対して1人から複数人の面接官がいるような面接です。
個人面接は自分1人に対して質問をされるので、比較的深い話を聞かれることが多く、個人個人の考えや経験をしっかり評価している印象があります。
集団面接
受験生2〜6名に対して面接官も2人以上いる面接のことです。
全員に対して同じ質問をされて順番に答えていくようなこともあれば、一人一人違う質問をされることもあります。
回答内容だけでなく、周りに人がいる時の話の聞き方や振る舞いも見られています。
集団面接攻略法を身につけておけば、大学受験だけでなく、就職活動にも役立ちます。
グループディスカッション
受験生4人から10人程度のグループで1つか2つのテーマに対して時間を決めて討論するような試験です。
総合型選抜や医学部入試で行われることが多いグループディスカッションですが、個人面接とも集団面接とも違った部分が評価されます。
周りの受験生によってやりやすさが変わるという意味でも、より臨機応変な対応が必要になる試験です。
面接官は2人くらいいることが多いですが、話が進むように質問をしたり指示をすることはなく、最初の課題説明やタイムキーパーをしているくらいであとは採点に専念しています。
みんなで話し合って決めるようなテーマのこともあれば賛成派反対派に分かれるディベート形式のこともあります。
面接試験の流れ
試験会場に到着した時から面接試験がスタートしていると思ってください。
挨拶をしているかどうかや、待機している態度まで見られていることもあります。
それが点数に直結しているかは分かりませんが、面接官の先生方が面接の評価を点数にして、その点数で合否が決まるということを考えると、少しでも良い印象を持ってもらうに越したことはありません。
面接試験がスタートして自分の番が来たらまず、面接の教室に入る前にドアを3回ノックします。知っているかもしれませんが、2回ノックはトイレなので注意してください。
「どうぞ。」や「はい。」という返事が聞こえたら「失礼します」と言ってからドアを開けて入室、入ったら静かにドアを閉めます。
椅子の横まで進み、
「◯◯高校から参りました。◯◯◯◯です。よろしくお願いいたします。」
と言い終わったあとお辞儀。
この時、動作と言葉は分けるということを意識してください。
「どうぞ、お座りください。」などと言われるので、座るように指示があったら「失礼します。」と言ってから着席します。
基本的には面接官が自己紹介のタイミングや集団面接では誰から話すかなどは指定してくれるので、心配する必要はありません。
座る時は背もたれにもたれず、姿勢は常に良くしておきましょう。
座っている間の手の位置も大切です。女性は右手を下にして重ねて太ももの上、男性は軽く握ってそれぞれの太ももの上に置いておきます。
緊張すると指先で遊んだり指を組んでしまう人もいますが、面接中だけは我慢してください。
あとは聞かれた質問にハキハキ答えていくだけですが、質問に答える時はまず「はい。」と答えてから面接官の目を見て話すということがポイントです。
質問の後、「はい。私は〜」というように1拍置くことによって、頭の中を整理する時間を作ることもできます。
面接試験が終わったら立ち上がり、ありがとうございました。と言ってからお辞儀をして退出します。
評価のポイント
個人面接は基本的に回答内容や受け答え、根拠のある話ができているかという部分で評価されます。
集団面接とグループディスカッションではそれに加えて評価される部分があるため、今回は2つの形式の面接についてお話しします。
集団面接
集団面接は自分が話している時間だけでなく他の受験生の話を聞いている時間も長くなります。
質問された後だと自分の回答を考えるのに必死になってしまうかもしれませんが、他の受験生の話を聞いているかということも見られています。
他の受験生が話している時に相槌を打つなどしてしっかり聞いているということを表現しましょう。
また、他の受験生が話に詰まったり、面接官から厳しい意見をされるということもあるかもしれません。
そうなると、自分も同じようになったらどうしよう…と緊張してしまい、力を発揮できなくなってしまうという人もいます。
集団面接ではありますが、評価されるのはグループではなく個人なので、焦らず自分の練習の成果を見せられるようにしましょう。
グループディスカッション
最大のポイントはなんといっても役割分担です。
進行役・タイムキーパーなどディスカッションをする上で必要な役割があります。
入試本番となるとみんなも気合が入っているので、進行役を務めれば入試に有利になると思う人も多いです。
積極性は評価されますが、目立つ分、周りが見えていなかったりするとわかりやすくなってしまうのも事実です。
評価のポイントとしてはなんといっても協調性があるかどうか、そして根拠のある話をできているかどうかということです。
誰かが名乗り出た時には譲るという行動もグループの中では大切です。
進行をする上でも周りの様子を見ることができているかが大事で、発言できていない人や発言が少ない人、その時出た意見に対して補足や反対意見がありそうな人に話を振るというのも周りをよく見ているというアピールになります。
最後に話の流れや意見をまとめるのも大切な役割で、全員の意見を聞いて客観的に判断するというのは周りの話をしっかり聞いて理解していないとできません。
個人的には進行役以上に評価の高い役割になるように感じているので、進行役になれなかった人も最後のまとめ役になれるように隙を狙ってみてください。
ディスカッションをする際は発言に根拠があるかどうかも見られているので、論理的な会話ができるように練習しておくことも大切です。
賛成・反対だけでなく、どうしてその意見なのか、実際に最近のトピックでこんなことがあったというようにその意見の裏付けをする必要があります。
そういった意味では本当の自分の意見で賛成反対を決めるのではなく、論理的な話がしやすい方の意見に立つというのもポイントです。
1つのテーマについて賛成か反対か。という話し合いの場合、最終的にどちらかに決まったからといって勝ち負けや受験の合否が決まるわけではありません。
私が受験した際も高齢者運転に対して10人中8人が反対、1人が賛成というような場面だったので、話し合いを進めやすいように賛成の立場に立って話を進めました。このように建設的な話し合いを進められるような状況を作ることができるかも見られているはずです。
よく聞かれる質問
大学の志望理由や将来の夢、自己PR、高校時代に頑張ったことなどはどの面接でも聞かれることが多いので、原稿を用意して何度も練習しておいても良いでしょう。
私も志望理由や将来の夢は2分程度で話せるような原稿を用意して暇な時間を見つけるたびに頭の中で唱えるようにしていました。
この質問だけでも準備ができていれば、質問をされた時の安心感も違います。
他にも医学部の面接では最近気になるトピックを聞かれたり、県内の医療に関する考えを聞かれたり、京大の面接では高校での研究内容や大学でやりたいことをかなり詳しく聞かれました。
それ以外にも雑談のような論文試験の感想や私が東北出身ということもあって震災関連の話も聞かれたことを覚えています。
面接対策として志望理由に関係するテーマや医薬品に関するトピックをノートにまとめていました。
面接練習
面接試験の前は色々な人に練習相手になってもらうということも大切です。
担任の先生に練習してもらっていた時は緊張せずに話せていたのに、初対面の先生が目の前にいると緊張して話したいことを忘れてしまう…ということもあるのではないでしょうか?
学校の中でも何人かの先生に練習相手になってもらうことで、誰の前でも緊張せずに話をできるようになりました。
グループディスカッションはどんなテーマが与えられるかも教室に入るまで分からず、テーマも本当に様々なので対策がしづらいものです。
私も高齢者運転というのは予想テーマの中に入っていなかったので、実際焦りもありました。
対策できる部分は話の進行や意見の伝え方なので、学校や予備校にグループディスカッションの練習をお願いしてみると良いでしょう。
他には広い知識をつけておくということも大切です。ニュースを見たり、自分が興味のある分野と受験学部に関わる分野の話題を探しておくことで、根拠として使えるトピックが増えるので話も広げやすくなります。
「分からない」を恐れない
口頭試問のような専門知識を聞かれる大学は特に、わからない質問をされることがあるかもしれません。
わからないというのは悪い事ではありません。
黙ってしまったり、適当に答えるのではなく、わからない時はわからないと正直に言うことも大切です。
私も高校時代の研究内容や大学院についての質問をされたのですが、勇気をだしてわからないと伝えると、面接中にも丁寧に教えてもらうことができました。
詳しくはYouTubeチャンネル「教育嬢TV」でもお話ししています。ぜひご覧下さい🙇♀️