共通テスト直前期の勉強法|二次試験対策と両立するためのスケジュールと優先順位

共通テストまで残り1ヶ月。受験生の皆さん、焦りと緊張の中で「最後の伸び」を目指している時期ではないでしょうか。

この時期、多くの受験生が頭を悩ませるのが「共通テスト対策」と「二次試験対策の両立」です。

「共通テストに集中したいけど、記述の感覚が鈍りそうで不安」

「二次試験の演習をしたいけど、共通テストの形式に慣れておかないと怖い」

そんな声を毎年のように耳にします。

この記事では、共通テスト直前のこの1ヶ月をどう使えば、両方の得点力を効率的に上げられるのか、実践的な方法を具体的にお伝えします。

 共通テストと国公立前期試験の違い

まず、両立を考える上で欠かせないのが、共通テストと二次試験の性質の違いを正しく理解することです。

共通テストの特徴

共通テストは「マーク式・スピード重視」です。幅広い基礎知識をもとに、限られた時間内で正確に答える力が求められます。迷っている時間はほとんどなく、テンポよく問題を処理するスピード感がカギになります。まさに「基礎力×スピード=共通テスト力」といえるでしょう。

国公立前期試験の特徴

一方、二次試験は「記述式・思考重視」です。自分の知識をもとに、論理的に考え、解答を組み立てる力が試されます。与えられたテーマに対して自分の考えを展開する“表現力”も重要です。こちらは「論理的思考×表現力=二次試験力」と言えます。

この2つは似ているようで全く違う能力を問う試験です。だからこそ、同時に伸ばすには、明確な切り替えと計画が必要になります。

配点から見る優先順位の決め方

共通テストと二次試験、どちらを重視すべきかを決める最も確実な方法は、志望校の配点比率を確認することです。

たとえば、共通テスト:二次試験が6:4であれば共通テスト重視、4:6であれば二次試験重視の大学です。大学によっては配点が極端に偏ることもあります。公式サイトや予備校の大学入試データ、螢雪時代などで必ずチェックしましょう。

どちらか一方の配点が5割を超える方を優先して対策すると、時間配分がブレずに済みます。

共通テスト重視型の大学を志望する場合は、12月中旬までは共通テストと二次試験を半々にし、12月下旬からは共通テストに7割程度時間を割くと良いでしょう。

逆に二次試験重視型の大学であれば、12月中旬までは記述演習を中心にしつつ、12月下旬になったらマーク演習を増やすようにします。

両立のコツは「切り替え」と「計画」

どちらも大事だと分かっていても、日によって勉強が偏ってしまうことは誰にでもあります。

そこで意識したいのが、「1日単位での切り替え」と「具体的な計画」です。

朝や午前中など頭が冴えている時間は、二次試験のように思考力を使う科目を。

夜や疲れている時間帯には、共通テストのようにスピード練習や復習中心の作業を。

このように時間帯ごとに“思考モード”を切り替えるだけでも、両立の効率は大きく変わります。

また、計画を立てる際は、「1ヶ月→1週間→1日」という逆算スケジュールで管理するのがポイントです。

「今週中に共通テストの英語を2年分解く」「今日中に数学の過去問1題+国語の大問1つを仕上げる」など、量で管理すると行動が明確になり、不安も軽減されます。

共通テスト対策の具体的な方法

共通テストの最大のカギは「形式慣れ」と「時間配分」です。

1日1科目は必ず時間を計って本番形式で解く練習をしましょう。問題冊子の順番、マークの仕方、見直しのタイミングまで、すべて本番を想定して練習することが重要です。

また、共通テストでは、思考よりも処理力が試されます。あれこれ悩むよりも、「瞬時に判断して進む」感覚を体で覚えることが得点アップの鍵です。

過去問は最低でも3年分を解くのがおすすめです。予備校が出しているパック問題を利用して、本番形式での模擬練習を重ねてください。

記述試験対策の具体的な方法

一方で、二次試験対策で意識すべきなのは「思考の継続」と「表現の正確さ」です。

共通テスト対策ばかりに集中すると、どうしても考える力が鈍り、記述の勘が鈍ります。共通テスト直前でも、1日1題は必ず記述式の問題に触れましょう。

問題をすべて解き切る必要はありません。途中で止まっても「どう考えたか」をノートに残すだけで、論理力の維持につながります。

時間がない日こそ、方針立てや途中経過の整理だけでも構いません。これを続けることで、二次試験の“思考の筋力”を保てます。

また、添削を受けられる環境がある人は、週に1回でもフィードバックをもらうのがおすすめです。自分では気づけない曖昧さを客観的に修正でき、飛躍的に文章力が上がります。

科目別両立のポイント

数学

数学は、共通テストと二次試験で最も差が出やすい科目です。マーク式は誘導に従って計算を進めるスピード型、記述は筋道を自分で組み立てる論理型です。どちらが得意かに関わらず、直前期でも毎日少しずつ記述問題に触れることで“数学の勘”を保ちましょう。

英語・国語

英語や国語など語学系科目では、共通テストで求められるのは「速読力」、二次試験で求められるのは「精読力」です。

共通テスト対策としては、1日1長文を時間を計って読む練習を。

一方で、二次試験対策としては、1つの文章を丁寧に分析し、内容を自分の言葉で要約する練習をしましょう。速く読む力と深く読む力、両方を磨くことが大切です。

理科・社会

理科や社会は、共通テスト対策がそのまま二次試験にもつながるケースが多いです。基礎知識の定着と問題形式の慣れを意識し、知識をアウトプットする練習を重ねましょう。

共通テスト後に向けて

共通テストが終わった瞬間から、すぐに次のステージが始まります。

自己採点を終えたら、すぐに二次試験モードへ切り替える準備をしましょう。共通テスト後の1週間の使い方が、合否を左右します。

才華學舎では、共通テスト前後の「志望校決定サポート」を行っています。配点や得点から現実的な戦略を立て直し、残りの1ヶ月を最大限活かすための個別相談も受付中です。気になる方は概要欄からご確認ください。

最後に

共通テスト直前期は、不安と焦りの入り混じる時期です。

しかし、この1ヶ月を「不安のまま過ごすか」「自信を積み上げるか」は、自分の行動次第です。

共通テストで実力を出し切り、二次試験で自分の思考を表現できるよう、今できることを1つずつ積み重ねましょう。

努力は必ず結果に変わります。最後まで、あなたの挑戦を応援しています。

詳しくはYouTubeチャンネル「教育嬢TV」でもお話ししています。ぜひご覧ください🙇‍♀️

この記事を書いた人
ゆあ

受験メンタルトレーナー/チャイルドコーチングアドバイザー/JAPAN MENSA会員
地方公立中高一貫校から特色入試(AO入試)で京都大学薬学部に現役合格
中高時代は運動部の活動・個人研究・学業を両立
大学在学中は大手予備校の塾講師として勤務し、受験指導やメンタルサポートの経験を積む
卒業後は母校でアドバイザーとして高校生の指導、地元個人塾でカリキュラム作成、オンラインを中心とした受験コンサルティングも展開中

受験戦略編

Posted by kyoikujo