夏休み明けの目標再設定〜ここからの一歩が、合格への道をつくる〜

夏休みが終わり、また普段の学校生活が戻ってきます。

高校3年生のみなさんにとっては、「受験の天王山」とも呼ばれる夏を乗り越えた、ひとつの節目。高校1・2年生のみなさんにとっても、オープンキャンパスや講習、課題研究などを通して大きく成長できた期間だったのではないでしょうか。

ですが、ここで一息ついたまま歩みを止めてしまっては、夏の努力がもったいないものになってしまいます。だからこそ、今このタイミングで「自分の夏を振り返ること」、そして「これからの目標を立て直すこと」がとても大切です。

この記事では、あなたの今の状況に合わせて、夏休み明けにやるべきことを3つのタイプに分けてお伝えします。ぜひ自分に合った部分をじっくり読んで、ここからの学習に活かしてみてください。

夏休みを振り返る

夏休みのはじめに立てた目標は、どれくらい達成できましたか?

やりきれたこと、途中で終わったこと、思った以上にうまくいったこと、想定より時間がかかったこと…。すべてを振り返ってみることで、次の一歩が見えてきます。

おすすめは、紙に「できたこと」「できなかったこと」をそれぞれ書き出すこと。例えば、「英語の文法はマスターできた」「数学の苦手分野がまだ不安」「化学は予定の半分までしか進まなかった」など、具体的に言葉にしてみましょう。

そして、学力の面だけでなく、「集中力がついた」「毎日机に向かう習慣ができた」「タイマーを使った勉強法が合っていた」など、学習姿勢や取り組み方の変化も振り返ってみてください。

次に、あなたが今どのタイプに当てはまるかを確認してみましょう。

Type1:勉強時間も確保できて、成績も伸びている人へ

夏の努力が実り、模試の成績もアップ。そんな人は、自信を持って良い成果を出せたと言えます。本当に素晴らしいことです。

でも、そこで満足してしまってはもったいない。今こそ「弱点の整理」と「次のステージへの目標設定」が重要です。

夏の間に、「この単元は演習不足だった」「この解き方はまだ自信がない」というポイントが見えてきた人も多いはず。そういった“まだ不安が残るところ”をリストアップし、1つずつ克服していくことで、さらに確実な実力が身についていきます。

高校3年生は、ここからは志望校の合格ラインを具体的に意識した勉強にシフトしましょう。たとえば、「英語で〇点、数学で〇点を取りたいから、この問題集を何周する」といったように、合格から逆算した行動目標を立てていくと、より現実的な手応えが得られます。

高校1・2年生も、今のうちに得意科目をさらに伸ばしたり、苦手科目の基礎を仕上げたりと、次の学年の準備を進めていくことで、来年以降の大きなアドバンテージになります。

調子がいい今こそ、もう一段階ステップアップするための戦略を立てていきましょう。

Type2:勉強時間は確保できたけれど、成績が思うように伸びなかった人へ

このタイプの人が一番モヤモヤを感じやすいかもしれません。毎日しっかり勉強していたのに、模試やテストの結果が伸び悩んでいる…そんなときは、「勉強の仕方」に着目してみましょう。

まず、前向きに捉えてほしいのは、勉強の成果は3ヶ月後に出ると言われていること。今の成績がすぐに跳ね上がらなくても、夏の努力は必ず積み重なっています。

ただ、何度も問題集をやっているのに模試で解けない場合、ただ「解き直す」だけで終わってしまっている可能性があります。

問題を解いて間違えたとき、「なぜ間違えたのか」「次にどうすれば正解できるのか」を自分の言葉で説明できますか? 答えを見てなんとなく理解した気になっていないか、チェックしてみましょう。

ここからの勉強では、「わかったつもり」で終わらせず、「次に必ず解けるようにする」という意識で1問ずつ丁寧に取り組んでみてください。

「問題の解説を自分で声に出して説明してみる」「間違えた理由をノートに書いておく」など、アウトプットを意識した学習を取り入れると、定着力が格段に上がります。

この小さな積み重ねが、秋以降の成績アップに直結していきます。

Type3:勉強時間をあまり確保できなかった人へ

「やらなきゃとは思っていたけど、部活や学校行事、家庭の都合などで思うように時間が取れなかった…」という人もいるかもしれません。でも、ここで大切なのは、自分を責めることではなく、「ここからどう挽回するか」です。

授業が再開すると時間の自由度は減ってしまいます。だからこそ、「夏にできなかったことを全部やろう」と思うのではなく、「優先度の高いもの」から取り組むのがポイントです。

たとえば、模試で出やすい分野や、今後の授業につながる範囲など、重要な単元を先に終わらせておくと安心です。また、いきなり何時間も勉強しようとするのではなく、朝少し早く起きる、放課後30分だけ残って勉強するなど、日常の中に自然と組み込める学習習慣を作っていきましょう。

夏にうまくいかなかったことを逆に活かして、「これからは計画の立て方を工夫しよう」「短時間でも集中して取り組もう」といった小さな改善を意識することが、秋からの伸びにつながっていきます。

習慣は続けることで力になる

夏休み中、朝早く起きて勉強したり、1日計画を立てて勉強に取り組んだりしていた人も多いはずです。

この良い習慣を、新学期が始まったからといって手放してしまうのは、とてももったいないことです。

時間がないならないなりに、自分に合った形で勉強を生活に組み込む工夫をしてみてください。たとえば、「朝登校前に30分だけ集中する」「お風呂上がりに暗記タイムを設ける」など、自分なりのルールを作って続けていくことが大切です。

環境が変わる今が、新しい習慣を始めるチャンスです。新学期に新しいノートを使い始めるような気持ちで、勉強のペースもリスタートしてみましょう。

目標は「言葉にして書く」ことで意識できる

ここまで読んでくれたあなたは、きっと夏を通して頑張ってきた人です。

その頑張りを秋以降の力に変えるために、今こそ「新しい目標」を立ててみましょう。

目標は、頭の中で考えるだけでなく、「紙に書いて貼る」「ノートに書き残す」「友だちと共有する」といったように、形にすることで意識に残りやすくなります。

そして、ときには勉強の進捗を友だちと話し合ったり、自習室など緊張感のある場所で勉強したりして、やる気をリセットしていくのも効果的です。

受験へのモチベーションを長く保てる人ほど、次のテストや入試本番で結果を出せます。

詳しくはYouTubeチャンネル「教育嬢TV」でもお話ししています。ぜひご覧ください🙇‍♀️

この記事を書いた人
ゆあ

受験メンタルトレーナー/チャイルドコーチングアドバイザー
地方公立中高一貫校から特色入試(AO入試)で京都大学薬学部に現役合格
中高時代は運動部の活動・個人研究・学業を両立
大学在学中は大手予備校の塾講師として勤務し、受験指導やメンタルサポートの経験を積む
卒業後は母校でアドバイザーとして高校生の指導、地元個人塾でカリキュラム作成、オンラインを中心とした受験コンサルティングも展開中

受験戦略編

Posted by kyoikujo