受験の天王山!高校3年生の夏休みにやるべきこと
「受験の天王山」という言葉を何度も耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
なぜ高校3年生の夏休みが「天王山」と呼ばれるのか、その背景を改めて考えてみると、この夏休みの重要性がより深く理解できるはずです。
天王山とは、実際に京都にある山の名前で、豊臣秀吉と明智光秀がここで歴史的な戦いを繰り広げ、天王山の戦いに勝利した秀吉は、天下統一に大きく近づいたといわれています。
そこから「天王山」という言葉は、「勝負の分かれ目となる大事な機会」という意味で使われるようになりました。
つまり、高校3年生の夏休みというのは、受験生活の天王山であり、受験の合否を分ける勝負の分かれ目ということです。
今週末あたりから夏休みに入るという方も多いでしょう。
夏休みと聞くと、時間のある楽しい期間をイメージしてしまうかもしれませんが、今年の夏は今までとは少し違います。
では、この夏をどう過ごすべきか。今回は、大学受験合格を目指す皆さんに向けて、この夏休みに意識してほしい5つのポイントをご紹介します。
人生で一番勉強する夏を覚悟
この1ヶ月は人生で1番勉強する期間と思って過ごしてください。
普段は学校の授業があるので、1日の中で自由に使える時間は限られていますが、夏休みは朝から夜まで全て自分で時間を管理できます。
この貴重な1ヶ月で、自分の限界に挑戦してみましょう。
憂鬱な気持ちになっている人もいるかもしれませんが、今しかできない貴重な機会だと思って、朝から夜まで勉強漬けの1ヶ月を経験してみてください。
「そこまでやらなくても合格できる」と思う人もいるかもしれません。
確かに、要領よく勉強し、短時間で合格を勝ち取る人もいます。
しかし、もし直前に勉強時間が足りないと思った時、思うような結果が出なかった時、この夏のことを後悔しませんか?
時間のある夏に限界まで勉強していれば、最大限努力した結果だと受け入れることができるはずですし、受験当日の自信も違います。
あの時もう少しできたかもしれない…という迷いがあると結果も受け入れられませんし、入試も不安な気持ちでむかえることになってしまいます。
私は高校3年生の夏休み、1日14〜15時間勉強していました。
もちろん、そこまで勉強しなくても合格していた可能性もあります。
ただ、私は「絶対に後悔したくない」という気持ちで机に向かっていました。
最大限努力したと思える経験は、本番での自信にもつながります。
夏休みは演習中心に。とにかく手を動かす
夏休み中の勉強は「とにかく演習」が基本です。
予備校の夏期講習や模試など、イベントが盛りだくさんの時期でもありますが、講習の予習・復習、模試の解き直しは後回しにしないことが鉄則です。
やり残してしまうと、夏休み明けにはもう時間が足りなくなってしまいます。
私は高校3年生の夏休みに、英語のヴィンテージ、鉄壁、英語リスニングのお医者さん、IELTsの対策、京大25か年の数学、新数学スタンダード演習、現代文単語、セミナー化学、化学の重要問題集、有機化学演習、名問の森、センサー物理を毎日繰り返していました。
この中でも特に力を入れていたのは理科です。
夏休みが終わる頃には、学校レベルの基礎問題集と、入試レベルの問題集が「完璧」と胸を張って言える状態になっていることが理想です。
毎日のルーティンを決める
夏休みは自由な時間が多いからこそ、規則正しい生活を徹底することが重要です。「今日くらいは朝ゆっくりでいいや」と気を抜いてしまうと、そのまま夜更かしになり、次の日もダラダラ過ごしてしまうことがあります。
1日でも夜更かしする日があると次の日起きる時間も勉強を始める時間も後ろに倒れてしまって、勉強時間が減ってしまいますし、体調をくずす原因にもなります。
私も夏休み中は、毎日朝一番に塾に行き、そこから夜まで勉強する生活を続けていました。
朝早く起きて同じ時間に塾に行くという習慣さえできていれば、起きる時間も寝る時間も自然と決まってきます。
朝起きる時間、塾に行く時間、昼食、帰宅時間、就寝時間――このように、毎日のスケジュールを細かく決めることで生活にリズムが生まれます。
また、勉強内容もある程度ルーティン化しておくと、「今日は何をしよう」と迷うことなく、自然に机に向かうことができます。
私の場合、模試前日以外は毎日ほぼ同じ勉強メニューを繰り返していました。迷う時間が減ることで、勉強の密度も高まりました。
夏休みと学校がある期間とでは時間の使い方も違いますが、夏休み中だけでなく、学校が始まってからもこの時間を決めておくと、ダラダラ休憩してしまうということもなくなります。
体調管理
夏休み中に絶対に気をつけてほしいのが体調管理です。
特にこの時期は、気温と室内の温度差で体調を崩しやすくなります。
塾の自習室では自分で空調を調節できないことも多いので、脱ぎ着しやすい服装で温度差に対応できるようにしておくと安心です。
そして、忙しくなるとコンビニご飯や片手で食べられるパンや栄養ドリンクばかりで食事を済ませてしまう受験生も少なくありませんが、栄養バランスが乱れると集中力や免疫力にも影響が出てしまいます。
炭水化物だけでなく、タンパク質やビタミンもきちんと摂ることを意識してください。
睡眠を削って勉強時間を増やす人もいますが、これは逆効果です。
徹夜で勉強したところで、翌日のパフォーマンスは大きく下がります。
短期的に時間を稼ぐよりも、継続して安定した勉強時間を確保することが大切です。
私は夏休みの間、家族にお弁当を作ってもらったり、家で朝と夜はしっかりとご飯を食べるようにしていました。
食事と睡眠、この2つをおろそかにしないことが、長期間の勉強を乗り切るための鍵です。
息抜き
受験生活は長丁場ですから、「適度な息抜きも必要」とよく言われます。
ただし、この言葉に甘えすぎてしまうと危険です。
「今日は息抜きの日」と決めてしまうと、再び勉強漬けの毎日に戻るのが嫌になってしまうことがありますし、1時間勉強したらスマホを見るというような息抜きも勉強に戻るタイミングが曖昧になってしまいます。
おすすめは、毎日の生活の中に自然な息抜きを組み込むことです。
たとえば、集中力が切れたときに飲み物を買いに行く、昼食は友達と話しながら食べる、このような短い息抜きを習慣の中に入れておくのが理想です。
私は基本的に息抜きの時間をあえて取らず、生活の中で自然とストレス解消ができるように工夫していました。
家族や友達、先生と何気ない会話をする時間も、息抜きとモチベーション維持に繋がります。
気持ちが沈んだときは、今の状況や目標を誰かに話すだけでも、ストレスが減り、勉強の効率もアップします。
まとめ
高校3年生の夏休みは「受験の天王山」です。この夏の頑張りが、半年後の自分を大きく変えることになります。
今回ご紹介した5つのポイント、人生で一番勉強する夏を覚悟する、演習を中心に手を動かす、時間管理を徹底する、 体調管理を最優先にする、息抜きは生活の中に組み込む。
これらを意識して、後悔のない夏を過ごしてください。
詳しくはYouTubeチャンネル「教育嬢TV」でもお話ししています。ぜひご覧ください🙇♀️

受験メンタルトレーナー/チャイルドコーチングアドバイザー
地方公立中高一貫校から特色入試(AO入試)で京都大学薬学部に現役合格
中高時代は運動部の活動・個人研究・学業を両立
大学在学中は大手予備校の塾講師として勤務し、受験指導やメンタルサポートの経験を積む
卒業後は母校でアドバイザーとして高校生の指導、地元個人塾でカリキュラム作成、オンラインを中心とした受験コンサルティングも展開中