大学受験目前の10月、5つのやるべきこと
夏休みが終わってから気づけばもう1ヶ月。9月もあっという間に過ぎ、いよいよ10月が始まります。ここから受験本番までのカウントダウンは加速していき、なんと今月には共通テストまで100日を切るのです。残り日数を意識すると、これからの1日1日の重みが変わってくるのではないでしょうか。
今は共通テストの出願期間中であり、今回からは出願の形式にも大きな変化があるので注意が必要です。
今回は、そんな大事な10月に「高校3年生が必ずやっておきたい5つのこと」を、受験勉強と実務の両面から具体的にお話しします。
共通テストの出願
まず最初に確認しておきたいのが共通テストの出願です。
2026年度の共通テスト出願期間は9月16日(火)〜10月3日(金)です。
出願を終えない限り、共通テストを受験することはできません。つまり、ここでのミスは取り返しがつかないということです。
以前は高校経由での出願でしたが、2026年度からは共通テストの出願方法にも変更があり、全ての受験生が個人かつオンラインで手続きを行うようになりました。
高校や予備校からの声掛けもあるようですが、注意が必要です。
実際に「科目選択を誤って、志望校の受験資格を失った」という悲しいケースも聞いたことがあります。
志望校に必要な科目を必ず受験できるように、出願書類の確認には細心の注意を払ってください。
受験は努力の成果を試す場です。出願の不備で舞台にすら立てない、そんな悔しさを味わわないためにも、何度も確認をしておきましょう。
高校3年生の10月にやるべき5つのこと
ここからが本題です。10月は勉強面でも生活面でも、次のステージへと進むための重要な分岐点です。この時期にやるべきことを5つに絞って整理しました。
入試に向けた準備を始める
勉強が中心になる時期ですが、実務的な準備も同じくらい大切です。
特に大切なのが「大学の願書請求」「試験会場付近のホテル予約」「交通手段の手配」です。
共通テストが終わったあとは国公立の出願、私立大学の入試、さらに新幹線や飛行機の手配と、やるべきことが一気に押し寄せます。直前になって慌てると余計なストレスになるので、今のうちに可能な範囲で準備を進めておきましょう。
受験が近づけば近づくほど、ホテルや新幹線の予約は取りづらくなります。
特に地方の大学を受験する人は、受験生が集中する時期はすぐに満室になることもあります。
焦らず勉強に集中するためにも、今のうちに動いておくことが合格への近道になります。
夏の努力を信じて勉強を継続する
「勉強の成果は3ヶ月後に出る」と言われます。夏休みに積み上げた努力は、ちょうどこの10月〜11月に少しずつ形になって表れてきます。
この時期まであまり伸びを実感できなかった人でも、まだ諦めるのは早すぎます。
模試の点数がまだ伸びていないからと焦る必要はありません。
私自身、夏まではEやDばかりだった模試の判定も、秋からの追い上げで急にCやBに変わり始めました。ここからが本当の勝負です。
私も多くの生徒を見てきましたが、この時期に一気に成績を伸ばす人が毎年必ず現れます。
逆に油断して勉強を緩めてしまうと、追い抜かれるのもまたこの時期。ライバルが伸び始める今だからこそ、自分も歯を食いしばって継続することが大切です。
模試を「本番」だと思って受ける
10月は大学名がついた冠模試など、大事な模試が行われる最後の時期です。
現役生と浪人生が同じ条件で挑む最後の大きな力試しとも言えます。
模試をただの確認テストの延長にせず、本番を想定した練習の場として受けることが重要です。時間配分や緊張感の持ち方、試験前の過ごし方まで、本番と同じように意識して取り組んでください。
模試でできるようになれば、本番で実力を出し切る自信にもつながります。
模試の点数がすぐに合格可能性に直結するわけではありませんが、自分の弱点を知るためには欠かせない機会です。
点数よりも「本番のシミュレーションをした経験」に価値を置いてください。
逆算思考で計画を立て直す
ここからは、入試本番までの残り期間を強く意識しましょう。共通テストまでは3ヶ月、前期試験までは4ヶ月程度です。この限られた時間の中で、どのように勉強を積み上げるかが合否を分けます。
カレンダーに日数を書き込み、受験までを逆算思考で考えましょう。
私がおすすめするのは「受験までの日数を見える化する」ことです。私は受験計画ノートに共通テストまでの残り日数と2次試験までの残り日数を毎日書き込んでいました。数字が減っていくのを見ると、1日の勉強を無駄にできないという気持ちが強くなります。
担当生徒の中にはスマホのロック画面にカウントダウンを表示している人もいました。
10月以降は「量」だけではなく「質」を重視してください。
これからは新しい問題集を増やすのではなく、今ある問題集を仕上げることが優先です。複数に手を出すより、1冊を完璧にやり込む方が得点につながります。
記述練習と部分点の意識を持つ
10月からは、ただ「正解にたどり着くこと」に加えて「1点でも多く取ること」を意識してみましょう。
数学なら途中式を書くだけで加点されることもありますし、英語の英作文なら減点要素がなければ満点がもらえることもあります。入試では、オリジナリティーのある完璧な答案よりも部分点を積み上げるテクニックが重要になります。
私の生徒の中にも「答えは出せなかったけれど、途中の式を書いていたおかげで合格できた」という人がいました。たった1点の差が合否を分けるのが大学受験です。今から記述練習を徹底し、自分の答案を「採点者目線」で見直す習慣をつけましょう。
過程をきちんと残す練習や、シンプルで減点されない書き方を、この時期から習慣にしておくことが大切です。
まとめ:10月は勝負の始まり
10月は共通テストまで100日を切り、受験生としての意識が一気に高まる時期です。
・出願や準備は早めに終える
・夏の努力を信じて継続する
・模試を本番のつもりで挑む
・逆算思考で計画を立て直す
・記述と部分点を意識する
この5つを意識して過ごすだけで、残り3ヶ月の勉強の質は大きく変わります。
焦りや不安も出てくる時期ですが、同じように全国の受験生が同じ気持ちで勉強しています。自分だけが遅れているわけではありません。努力を積み重ねてきた自分を信じて、一歩一歩前に進んでいきましょう。
詳しくはYouTubeチャンネル「教育嬢TV」でもお話ししています。ぜひご覧ください🙇♀️

受験メンタルトレーナー/チャイルドコーチングアドバイザー
地方公立中高一貫校から特色入試(AO入試)で京都大学薬学部に現役合格
中高時代は運動部の活動・個人研究・学業を両立
大学在学中は大手予備校の塾講師として勤務し、受験指導やメンタルサポートの経験を積む
卒業後は母校でアドバイザーとして高校生の指導、地元個人塾でカリキュラム作成、オンラインを中心とした受験コンサルティングも展開中