年始の過ごし方|共通テスト2週間前、5つのポイント
新しい年が始まり、気持ちを新たにしたい1月。
カレンダーが新しくなり、テレビやSNSでも「今年の目標は?」という言葉をよく目にする時期です。
周りの雰囲気も、「今年こそ〜したい」「今年は〜をがんばる」といった前向きな空気に包まれていきます。
しかし、受験生にとっては、楽しさやワクワク感よりも、緊張やプレッシャーの方が大きい時期かもしれません。
なぜなら、年が明けると共通テストまで2週間を切るからです。
「いよいよだな…」「失敗できないな…」という思いが強くなり、気持ちが落ち着かなくなる人も多いでしょう。
ただ、この短い期間に何を意識するかで、当日の点数は大きく変わります。
冬休みの後半は、年末の疲れも出やすく、気が抜けやすい時期でもありますが、年始の過ごし方を少し工夫すれば、気持ちの切り替えもスムーズにでき、”ここから本番モードに入る”というスイッチを入れやすくなります。
ここからは、受験生が年始に意識したい5つのポイントをお伝えします。
初詣を“切り替えの儀式”として利用する
毎年行っている人は、例年通り初詣に行ってみてください。
「時間がもったいない」「家で勉強していた方がいいのでは」と感じる人もいるかもしれませんが、実は初詣は“気持ちの切り替え”に大きな効果があります。
神社やお寺の静かな空気の中で、
「ここまで自分はよく頑張ってきた」
「これから本番まで、残りの時間を大切に使おう」
と落ち着いて自分と向き合う時間は、家の中ではなかなかつくりにくいものです。
願いや目標を口にすることで、自然と集中力が戻りやすくなりますし、
「ここまでやった自分は大丈夫」
「やるべきことをやって、本番に向かおう」
と前向きな気持ちも生まれます。
合格祈願のお守りを買うこと自体も、「自分は本気でここを目指しているんだ」という確認になり、勉強机に置いておくだけで気持ちが引き締まる人も多いはずです。
もちろん、感染症が心配な時期でもあるため、
人混みを避ける・短時間で切り上げる・マスクや防寒を徹底するなどの工夫は忘れずに。
長時間の外出や、帰りに寄り道をしてしまうと、疲れを残してしまうので、「初詣に行って、まっすぐ帰って勉強に戻る」というメリハリを意識してみてください。
初詣そのものが“合否を決める”わけではありませんが、「ここから本番モード」というスイッチを入れるための“儀式”として使うことで、年始のスタートが整いやすくなります。
勉強のリズムを年始のうちに“完全復帰”させる
年末に生活リズムが少しでも乱れていると、年始のスタートが重く感じられるかもしれません。
「まだお正月だし…」という空気に引っ張られて、つい起きる時間が遅くなったり、ダラダラとスマホを見てしまったりする人も多いです。
だからこそ、1/1〜1/3のどこかで必ず通常リズムに戻す日を作ることが大切です。
「この日からは本番仕様の生活に戻す」と、自分の中で線を引いてしまうイメージです。
具体的には、次の3つを意識して整えてみましょう。
• 起床時間を通常に戻す
• 勉強時間を適切な量に戻す
• 夜のだらだらスマホをやめる
まずは起床時間。
共通テスト本番に合わせて、朝のスタートを固定しておくと、当日もいつも通りの感覚で試験に臨むことができます。
逆に、ギリギリまで夜型の生活を続けてしまうと、直前になって無理やり朝型に切り替えようとすることになり、体も心も負担が大きくなります。
次に、勉強時間。
年末よりも少し“本気モード”にギアを上げるつもりで、
「この時間帯は過去問」「この時間帯は暗記」「夜は見直し中心」など、おおまかな1日の流れを年始のうちに作ってしまいましょう。
最後に、夜のスマホ。
ベッドの中でSNSや動画をだらだら見てしまうと、寝つきが悪くなり、翌日のコンディションにも響きます。
夜は“明日の準備と軽い見直しをしたら終わり”と決め、スマホを机から離しておくなど、物理的な工夫も効果的です。
この3つを整えるだけで、年始の不安が驚くほど軽くなります。
「生活リズムが整っている=いつも通り勉強できる」という安心感が、共通テスト直前のメンタルを支えてくれます。
1〜3日のうちに“共通テストの最終確認”を始める
年が明けたばかりの時期は、精神的に“リセット感”があります。
「今年こそ頑張るぞ」「ここからやり直そう」という前向きな気持ちになりやすい一方で、勉強の中身までリセットしてしまうのは、とても危険です。
これまで積み上げてきたものを一度ゼロに戻すのではなく、仕上げに入るためのリセットにしていくことが大切です。
そこでおすすめなのが、年始に共通テスト形式の問題を1セット解くことです。
本番と同じ形式・同じ時間で問題を解き、今の自分の感覚を確かめてみてください。
特に過去問は、解いた瞬間のメンタルが本番に似てきます。
「もし今日が本番だったら…」という気持ちで問題に向き合うことで、自分がどれくらい焦るのか、どこでミスしやすいのかが見えてきます。
年始の実戦演習は、単に点数を出すためではなく、“残り2週間でどこを詰めるべきか”を知るための大切なヒントになります。
解きっぱなしにせず、必ずその日のうちか翌日までに復習をして、「このミスは知識不足なのか、時間配分の問題なのか、読み飛ばしなのか」と原因をはっきりさせておきましょう。
原因が分かれば、残りの時間でやるべきことが自然と見えてきます。
年始に“残り2週間の計画”を完全に固めてしまう
年始の3日間は、勉強とともに計画を立てるにも最適なタイミングです。
共通テスト直前にやるべきことは、実はそれほど多くありません。
「全部を完璧にしよう」とするのではなく、限られた時間で“点数に直結する部分”を優先的に仕上げていくことが大切です。
共通テスト直前にやるべきことは、大きく分けると次のような内容です。
• 知識の総仕上げ
• 各科目の頻出テーマの確認
• 弱点の最終調整
• 当日の動線チェック
まずは知識の総仕上げ。
暗記科目や用語、英単語・熟語、古文単語、理科・社会の細かいポイントなど、
「最後にもう一度見ておきたい」知識をリストアップし、残り2週間のどこでそれぞれを確認するかをざっくり割り振っていきます。
次に、頻出テーマの確認。
これまでの過去問や模試を見返し、「この単元はよく出ている」「このパターンはもう一度解いておきたい」という部分をピックアップします。
ここを押さえておくことで、「直前に何をすればいいか分からない」という不安が減り、勉強に迷いがなくなります。
さらに、弱点の最終調整。
すべてを克服する必要はありませんが、「ここだけは最低限おさえておきたい」というラインを決め、そこまでは仕上げられるように、小さめのゴールを設定しておきましょう。
そして、当日の動線チェック。
試験会場の場所や行き方、当日の持ち物、休み時間の過ごし方なども、このタイミングでざっくりイメージしておくと、本番直前に焦らずにすみます。
これらを整理し、
「2週間で何をやれば十分か」「逆に、ここまでできたら自分を褒めていい」
というラインを言語化しておくと、不安が一気に減り、勉強に無駄がなくなります。
年始こそ“体調管理のギアを最大レベルに上げる”
年始は寒さがピークに近づき、感染症リスクも最も高まる時期です。
ここで体調を崩すと、共通テストまでの学習時間が致命的に削られますし、精神的にも大きなダメージになります。
「少しくらい無理しても大丈夫だろう」と思って夜更かしをしたり、
人混みに長時間出かけてしまったりすると、そのツケが数日後に一気に回ってくることがあります。
だからこそ、年始は体調管理のギアを最大レベルに上げる意識で過ごしてください。
• 人混みをできるだけ避ける
• 加湿器やマスクを上手に使う
• 食事は胃に負担のないものを中心にする
• 夜の冷え対策を徹底する
• 睡眠時間を削らない
特に、夜の冷えは想像以上に体力を奪います。
湯たんぽやカイロ、暖かい靴下などを使って体を冷やさない工夫をし、寝る前に熱すぎないお風呂で体を温めておくのも効果的です。
また、年始はついおせちや甘いものを食べすぎてしまいがちですが、胃腸が疲れると眠気やだるさが出やすくなり、勉強効率も落ちてしまいます。
「食べる楽しみ」も大事にしつつ、食べすぎないこと・よく噛むことを意識してみましょう。
年始の数日を健康に過ごせれば、そのまま本番まで安定した状態で走り切ることができます。
体調管理は、「勉強とは別のこと」ではなく、得点力を守るための大切な準備の一部だと考えてみてください。
まとめ
年始は、新しい気持ちで走り出す絶好のタイミングです。
年末で溜まった疲れを整えつつ、年始にリズムを戻し、気持ちを締め直す。
この切り替えができれば、共通テスト本番で本来の力を出せます。
• 初詣を“切り替えの儀式”として利用する
• 生活と勉強のリズムを年始のうちに戻す
• 共通テスト形式の問題で最終確認を始める
• 残り2週間の計画を年始に固める
• 体調管理のギアを最大に上げる
この5つを意識しながら、残りの期間を大切に、1日1日を丁寧に積み上げていきましょう。
年末年始は多くの受験生が緩んでしまう時期ですが、あなたはここで差をつけることができます。
ここまで頑張ってきた自分を信じて、共通テスト本番まで、一緒に走り切っていきましょう。
詳しくはYouTubeチャンネル「教育嬢TV」でもお話ししています。ぜひご覧ください🙇♀️

受験メンタルトレーナー/チャイルドコーチングアドバイザー/JAPAN MENSA会員
地方公立中高一貫校から特色入試(AO入試)で京都大学薬学部に現役合格
中高時代は運動部の活動・個人研究・学業を両立
大学在学中は大手予備校の塾講師として勤務し、受験指導やメンタルサポートの経験を積む
卒業後は母校でアドバイザーとして高校生の指導、地元個人塾でカリキュラム作成、オンラインを中心とした受験コンサルティングも展開中









