2026年度共通テスト情報〜出願・受験票・時間割まで徹底解説〜

大学入学共通テスト、通称「共通テスト」。

この試験は、日本の大学入試において国公立大学はもちろん、多くの私立大学でも利用される重要なものです。2021年度からセンター試験に代わって導入され、思考力・判断力・表現力をより重視した問題構成が特徴です。

そして2025年度からは新学習指導要領に基づく新課程が完全実施となり、科目の再編や新設、時間・配点の変更がありました。2026年度入試はその2年目。新しい仕組みに慣れ始めている一方で、まだ情報が混乱しやすい時期でもあります。

秋は出願を終え、本格的に本番を想定した演習に入る時期。ここで正確な情報を整理し、ラスト数か月の計画を立てていきましょう。

試験日程

本試験日程:2026年1月17日(土)・18日(日)

追試験日程:2026年1月24日(土)・25日(日)

※病気・災害・交通機関の大幅な遅延など、大学入試センターに認められた正当な理由がある場合のみ受験可能です。

出願の電子化

2026年度からは 出願が完全オンライン化。

これまで高校を通じて一括出願する形式でしたが、今年度からは受験生本人が出願します。

出願期間は例年通り 9月下旬〜10月上旬 が目安。

検定料の支払いもオンライン(クレジットカード・コンビニなど)対応。

すでに出願期間は終わっていますが、出願内容の控えや支払い完了の証明を必ず印刷・保存しておきましょう。秋以降は模試や学校行事で忙しくなりがちです。小さな確認不足が本番に影響することのないようにしてください。

受験票の発行・印刷について

電子出願に伴い、受験票は紙で郵送されず、自分でダウンロード・印刷する方式となります。

発行時期:12月10日(水)10時から大学入試センターの出願サイトでダウンロード可能。

印刷時の注意点:A4サイズで白紙に印刷すること。カラー・モノクロはどちらでも可ですが、顔写真やQRコードが鮮明に出るように。

顔写真登録を忘れていると発行できない場合があります。出願時のデータを必ず確認しておきましょう。

予備として2部印刷しておくと安心です。

受験票は 本試験当日までの重要書類です。

試験場案内や座席番号が記載されており、忘れると受験ができません。秋のうちに受験票発行のスケジュールを手帳に書き込んでおくと安心です。

時間割

【1日目】1月17日(土)

地理歴史・公民(最大2科目)

  2科目選択:9:30〜11:40(120分)

  1科目選択:10:40〜11:40(60分)

国語:13:00〜14:30(90分)

外国語(筆記):15:20〜16:40(80分)

外国語(リスニング):17:20〜18:20(約60分)

【2日目】1月18日(日)

理科(最大2科目)

   2科目選択:9:30〜11:40(120分)

   1科目選択:10:40〜11:40(60分)

数学①(数学I または I・A):13:00〜14:10(70分)

数学②(数学II・B・C):15:00〜16:10(70分)

情報Ⅰ:17:00〜18:00(60分)

※集合時間は各科目の20〜30分前に設定される場合があります。試験場への移動・昼食時間の計画も含めてシミュレーションしておくと安心です。

第1解答科目とは?

社会や理科の 2科目選択者 は、1科目めを「第1解答科目」として先に解き、その後答案回収があります。

第1解答科目は試験開始から60分で終了し、回収されるため、科目順の作戦が重要です。

得意科目を先にして確実に得点するか、逆に苦手を先に解いて時間を確保するか、模試で試しておきましょう。

回収後は第2解答科目だけを残り60分で解答します。2科目分の解答を同時に見直すことはできないので、第1科目は時間内に完結させる意識が必要です。

教科・科目ごとの詳細とポイント

共通テストでは 7教科21科目 の中から、志望大学の出願要件に応じて選択します。

地理歴史・公民

・地理総合・地理探究

・歴史総合・日本史探究

・歴史総合・世界史探究

・公共・倫理

・公共・政治・経済

・地理総合・歴史総合・公共

これら6科目から最大2科目を選択可能です。

1科目選択は 60分・100点

2科目選択は 130分(実質120分解答)・200点。

選択の際には「公共・倫理」と「公共・政治経済」を同時に選べない、また「地理総合・歴史総合・公共」と他の科目の重複選択は制限があるなど注意点が多いので、出願前に必ず確認しておきましょう。第1解答科目の作戦が特に重要で、思考力重視の設問が多く、資料読み取り・複数資料の関連づけが鍵です。

国語

2025年度から大問が5題に増加し、試験時間も90分に延長されました。

・現代文3問で 110点

・古文・漢文で 各45点、計90点

合計200点満点です。

大問数が増えた分、読解スピードと時間配分の重要性が一層高まりました。秋の段階では模試で実戦感覚を養い、時間内に解き切る練習を積むことが必須です。古典→現代文の順か、現代文から入るかは模試で試行しておくと良いでしょう。記述はないが、選択肢の根拠を素早く探す練習が有効です。

外国語

英語は筆記とリスニングを実施します。

リーディング:80分・100点

リスニング:60分・100点

比重は1:1。以前よりリスニングの影響力が増し、リスニングは後半で音声が1度しか流れない問題が多くなります。

秋以降は毎日の学習の中に必ずリスニング練習を組み込み、耳を慣らしておきましょう。

ドイツ語・フランス語・中国語・韓国語を選ぶ場合は筆記試験のみで、80分200点満点です。

理科

基礎科目(物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎)

発展科目(物理・化学・生物・地学)

基礎2科目選択で60分100点、発展科目は1科目で60分100点、2科目選択で130分200点となります。

計算問題はセンター時代よりもやや応用度が上がっています。グラフ読解・実験考察の練習を秋以降も継続すると良いでしょう。

数学

新課程からの変更点として「数学Ⅱ・B・C」が導入されました。

数学①(数学I または 数学I・A):70分100点

数学②(数学Ⅱ・B・C):70分100点

数Bは「数列」「統計的な推測」、数Cは「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」が出題範囲です。

選択問題ではなく必答形式が増えているため、広範囲をバランスよく学習する必要があります。

記述はないが誘導型の複雑な問題が多く、時間配分を徹底練習が必要です。ⅡB Cは分野を跨いで3題選択の形式。得意分野を見極め、取捨選択の判断を早くする練習を。

情報Ⅰ

2025年度から追加された新科目です。

60分100点。プログラミング、情報セキュリティ、データ分析などが中心で、学校によっては授業進度に差がある分、独学の工夫が重要となります。秋のうちに参考書や模試を使って必ず演習経験を積んでおきましょう。

まとめ

2026年度共通テストは、新課程完全対応2年目として

・情報Ⅰの導入

・数学ⅡB Cの拡充

・国語の大問増加

・出願・受験票の電子化

といった大きな変化を引き継ぎます。

秋は「出願完了」「受験票発行準備」「時間割と第1解答科目の作戦づくり」を同時進行する重要な時期です。

正しい情報と計画で、直前期の焦りを減らして本番に臨みましょう。

詳しくはYouTubeチャンネル「教育嬢TV」でもお話ししています。ぜひご覧ください🙇‍♀️

この記事を書いた人
ゆあ

受験メンタルトレーナー/チャイルドコーチングアドバイザー
地方公立中高一貫校から特色入試(AO入試)で京都大学薬学部に現役合格
中高時代は運動部の活動・個人研究・学業を両立
大学在学中は大手予備校の塾講師として勤務し、受験指導やメンタルサポートの経験を積む
卒業後は母校でアドバイザーとして高校生の指導、地元個人塾でカリキュラム作成、オンラインを中心とした受験コンサルティングも展開中

受験戦略編

Posted by kyoikujo