共通テスト化学攻略法|2ヶ月で安定1割伸ばす5つの戦略

文系科目に続く攻略シリーズ第4弾は化学。

共通テスト2日目の理科で最も受験者数が多い科目です。

今回は、理系受験生が知っておくべき第1解答科目の選び方と、秋から得点を伸ばすための5つの戦略をお話しします。

第1解答科目の決め方と“当日ルール“

理系受験生にとって、第1解答科目の選択は想像以上に重要です。

「出願時の選択科目」と違い、第1解答科目は試験当日に決めることができます。

一般的には、国公立大では理科2科目の合計点を利用する大学が多いため、第1科目の選択が直接合否に影響することは少ないものの、時間配分とメンタル面の影響は非常に大きいです。

理科を1科目のみ利用する大学では、第1解答科目の点数が採用されるケースも多いため、ここを間違えると合否に直結します。

第1解答科目の選び方

・得意科目を第1にするのが基本。

・どちらの科目の点数も使う場合も、得意科目を先に解くことで余裕を生み出せる。

・第1科目を解き終えた後は、第2科目の問題に目を通すことが可能。

前半でリズムを掴むためにも、焦らず解ける科目を第1に。

私の受験当日の失敗談

私は当時、化学が得意だったので第1解答科目は化学に決めていました。

しかし、本番では化学の問題が想定以上に難しかったのです。

序盤から分からない問題が続き、「満点を狙っていたのに解けない…」という焦りが一気に押し寄せました。

不安になって物理の問題を覗くと、そちらの方が簡単そうに見えてしまい、途中で「やっぱり物理に変えようかな」と思ってしまったんです。

でも当然そんな時間はなく、最終的にどちらも中途半端に。

結果として、冷静さを失い、本来得点できたはずの化学でも取りこぼしてしまいました。

この経験から学んだのは、「当日どう決めるか」も事前にルールを作っておくことが大切だということ。

迷ったら必ず“得意な方”を先に解く。これが鉄則です。

共通テスト対策が2次試験に繋がる

共通テスト対策と二次試験対策は別々のものと考えがちですが、実は根っこは同じです。

共通テストで問われる「思考の筋力」は、二次試験にも直結します。

共通テスト→二次に効く力

・定義や用語を正確に説明できる力

・単位・有効数字を意識した丁寧な計算力

・実験データ・グラフを読んで傾向を分析する力

二次→共通テストに効く力

・条件を整理して反応や現象を構造的に捉える力

・複雑な設定でも既存の知識を応用する発想力

共通テストを「スピードと精度の訓練」として位置づけ、二次試験を「思考の深掘り」として回すのが理想的です。

公式や言葉を理解

暗記ではなく「なぜそうなるのか」を理解しておくこと。

近年の共通テストでは、“知識の本質理解”が問われる出題が増加しています。

・公式を丸暗記せず、導き方と前提条件を整理しておく。

・「この公式はどんな状況で成り立つのか?」を常に考える。

・読むタイプの参考書で全体のつながりを理解することも有効。

特におすすめなのは「鎌田シリーズ」。

説明が丁寧で、知識が“点”から“線”になる感覚が得られます。

実験結果やグラフ

共通テスト化学では、実験考察型の問題が増加しています。

見た目に惑わされず、「何を確かめたいのか」を読み取ることが鍵です。

実験問題を読む4ステップ

1. 目的(何を確かめる実験か)

2. 手順(何を混ぜ、何を測定するか)

3. 観察結果(色・沈殿・気体・変化)

4. 結論(結果が示す化学的意味)

また、グラフ問題では軸・単位・傾向・外れ値に注目。

「比例していない点」こそ、設問のヒントになります。

「グラフや図の読み取り」が得意な人ほど、実は国公立二次の実験考察問題にも強い傾向があります。

見たことのない問題への対策

「見たことない形式だから無理」と感じる人も多いですが、

共通テスト化学で出る“未知の問題”は、実は既知知識の再構成です。

対応のコツ

・「この問題はどの単元の知識で解ける?」と分類する

・問題設定を既存の理論にマッピングして考える

・数式が立たない時は、極端な条件で検証(濃度0・pH範囲など)

見たことのない問題を「未知の敵」ではなく「知識の組み合わせ」として捉えるだけで、急に解けるようになります。

分野別・即効メソッド

理論

・1日1計算(10〜15分)をルーティン化。分野は日替わり(気体→溶液→平衡→酸酸)

・式の由来を1行メモ(なぜその式か)を必ず残す

無機

・系列カード(沈殿/配位/両性)を図で:イオン→試薬→結果→理由

・写真記憶:教科書や資料集の実験写真・色はスクショ的に頭へ(ビジュアル対応力UP)

有機

・官能基マップ

・確認試験の対応表(アルデヒド→フェーリング反応、フェノール→塩化鉄呈色反応など)

まとめ:化学は“型で解く”科目。迷わず進める準備を

第1解答科目は事前に方針とルールを決めておく

共通テスト対策=二次対策の基礎

公式は導出理解、実験は構造理解、未知問題は再構成

化学は、思考力と知識を掛け合わせて“手順”で解く科目です。

公式を覚えるだけではなく、「なぜそうなるか」まで理解し、当日迷わない状態を目指しましょう。

詳しくはYouTubeチャンネル「教育嬢TV」でもお話ししています。ぜひご覧ください🙇‍♀️

この記事を書いた人
ゆあ

受験メンタルトレーナー/チャイルドコーチングアドバイザー/JAPAN MENSA会員
地方公立中高一貫校から特色入試(AO入試)で京都大学薬学部に現役合格
中高時代は運動部の活動・個人研究・学業を両立
大学在学中は大手予備校の塾講師として勤務し、受験指導やメンタルサポートの経験を積む
卒業後は母校でアドバイザーとして高校生の指導、地元個人塾でカリキュラム作成、オンラインを中心とした受験コンサルティングも展開中

受験戦略編

Posted by kyoikujo