共通テスト国語攻略法|まだ間に合う!2ヶ月で9割に近づく5つの実戦ポイント

11月も目前に迫り、共通テストの足音がはっきり聞こえてきました。

この時期の国語は、読み方の型+解き方の手順を固めれば、短期間でも確実にスコアが伸びる科目です。前回までの記事では参考書選びや社会の攻略法をお伝えしましたが、今回は国語にフォーカス。私自身、高2の模試で100点台前半→本番で9割近くまで伸ばしたときに実践した「読み方・解き方・演習の回し方」を、誰でも真似できる手順に落とし込みます。

共通テスト国語対策のポイントは

・過去問を早く浪費しない

・設問キーワード先読み

・選択肢の“分解・横比較”

・古典で確実に稼ぐ

・本試→追試の二段演習

の5本柱です。

秋から始める共通テスト国語対策のポイント

ポイント1:段落同士の“役割”を見る(現代文の読み方を型にする)

狙い: 一文ずつ精読して迷子になるのを防ぎ、設問に必要な情報へ一直線。

やること: 段落ごとに「主張/例示/対比/転換」の役割ラベルを即付け。

・1段落読む→欄外に【主張】/【具体例】/【対立】/【まとめ】などと3語以内でメモ

・接続詞に敏感に:しかし=反転、つまり=要旨、たとえば=例示、したがって=結論

・図式化するなら

・立場A ↔ 立場B(対比)

・主張→根拠1・根拠2(論証)

・問題提起→原因→解決策(展開)

この“役割メモ”が後の選択肢チェックの照合地図になります。細部の言い回しに囚われず、文章の骨組みを先につかむのがコツ。

ポイント2:設問の“キーワード先読み”で当たりをつける

狙い: 文章を“目的を持って”読むことで、探索時間を短縮。

やること: 本文に入る前に設問文だけを読み、重要語に○印をつける(選択肢はまだ見ない)。

・例)「筆者が《A》を批判する理由」→本文のA周辺+理由接続(だから・しかし・ゆえに)に注目

・例)「傍線部Bの言い換え」→Bの前後3〜5文と段落役割を参照

・本文読み中、キーワード段落に到達したら即その設問を処理(後戻りを減らす)

※ 選択肢は後回し。先に読むと“言い換えの罠”に引きずられます。

ポイント3:選択肢は“分解→横比較→消去”の三手で料理する

狙い: 「どれも正しく見える」を潰す。

やること: 各選択肢を2〜3ブロックに分割し、同位置を横比較して誤り成分を特定。

分割例(近代散文の設問)

①主語・対象 ②評価・関係 ③理由・結果

横比較すると、どこかで

・過度の一般化(いつでも/すべて)

・因果の逆転(結果→原因)

・強弱のズレ(重要→周辺、核心→補足)

が混じるものが出ます。そこを“×印”で除外。

3ブロック中「明確×が1つでもあれば、その選択肢は即捨て」。迷いを残すより確定×を積み上げる。

この手順は古文読解の選択肢にも有効です(敬語解釈・主語判定のズレが×理由になりやすい)。

ポイント4:古典は“知識で満点を狙う”設計にする

狙い: 現代文の不確実性を古典で補填。

やること: 古文単語・文法・敬語/漢文句形を“短サイクル暗記+即演習”。

古文(目標:8〜9割安定)

・頻出300語を“朝10分+夜10分”の日次2回転

・文法は助動詞の意味・接続・活用表を一枚に凝縮(べし・む・けり・つ・たり・り など)

・主語補充の癖:敬語の方向(尊敬=主語上、謙譲=主語下)で主語を決める

・セット演習:本文→設問→根拠線引き→本文の“往復”で根拠定位を習慣化

漢文(目標:満点設計)

・必須句形20+重要語100を1週間1周で回す

・置き字・返り点・再読文字を音読で身体化(而・於・乎・焉/未・将・当・須)

・返り点は「読み下し文を声に出す」のが最短。音読→意味付け→設問の順で。

古典は“やった分だけ上がる”数少ない安定資産。理系ほど古典で稼ぐのが合理的です。

ポイント5:過去問は本試→追試の二段構えで“使い切る”

狙い: 本番形式で精度と時間感覚を仕上げる。

使い方の原則: 10〜11月は対策問題集、12月から本試、1月頭に追試。

ステップ1(10〜11月):形式慣れと型の定着

学校配布&実戦問題集で“先読み→分解→横比較”の手順を固定

ステップ2(12月):本試過去問を年度通しで実戦演習(90分本番)

復習は設問ごとの根拠文にマーカー+誤った選択肢の×理由を日本語で

ステップ3(1月頭):追試で難度-高年を経験値化

本試より語彙・言い換えが厳しめ→**“慎重に読むべきサイン”**を体感学習

過去問は“解いて終わり”ではなく、根拠定位と×理由の言語化までが1セット。

同一年度を2周して“根拠の再現性”を確認すると、取りこぼしが急減します。

分野別・超実践メソッド

現代文:要旨→構造→根拠の三層で読む

1. 要旨(段落役割メモ)

2. 構造(対比/因果/問題‐解決)

3. 根拠(該当文と設問キーワードの一致)

・小説は心情変化の契機と描写の根拠語(表情・動作・比喩)を拾う。

・評論は定義文・言い換え文に☆印。

古文:知識→主語→心情/場面

・敬語方向で主語特定→場面(誰が誰に)→選択肢の人物関係のズレを×。

・和歌問題は修辞(序詞・掛詞)と指示語の指し先に注意。

漢文:句形→主述→指示語

・まず句形判定、ついで誰が何するの主述抽出。

・指示語(是・此・其)と指示内容の一致を取り違えやすいので、直前名詞へ矢印。

復習ノートは“2ページ完結”テンプレで

1ページ目:設問ログ

大問/設問番号/正誤/根拠行(L○〜○)/×理由(10〜20字)

2ページ目:型のズレ

・読み方のミス(役割誤認/対比の片側落とし)

・解き方のミス(分解不足/横比較せず感覚選択)

・次回の改善ルール(例:必ず設問先読み→本文)

→ ノートが溜まるほど、同じミスの再発率が下がる=点が安定。

よくあるQ&A(直近の悩みに即答)

Q. 現代文が毎回ブレる…

A. 役割ラベリングの精度が原因のことが多いです。段落末のまとめ文に☆、対比マーカーに二重線を習慣化。

Q. 語彙が弱い…

A. 評論頻出語300は1日30語×10日で1周→週1で総テスト。古文単語は朝夜の2回転。

Q. 時間が足りない…

A. 設問先読み→キーワード段落で即処理。選択肢は分解→横比較を最優先(読み直しの往復を減らす)。

まとめ:国語は“手順の科目”。型が決まれば伸び続ける

・段落役割を見る→設問キーワード先読みで、読む前から“どこを読むか”を決める

・選択肢の分解・横比較で、感覚ではなく“証拠”で選ぶ

・古典で満点設計、現代文で勝敗を決めず全体で勝つ

・本試→追試で仕上げ、根拠定位と×理由の言語化で落とし穴を塞ぐ

今日からでも、型は必ず間に合います。まずは“設問だけ先に読む”を次の演習から。たった1手で、読みの質とスピードが変わります。

詳しくはYouTubeチャンネル「教育嬢TV」でもお話ししています。ぜひご覧ください🙇‍♀️

この記事を書いた人
ゆあ

受験メンタルトレーナー/チャイルドコーチングアドバイザー/JAPAN MENSA会員
地方公立中高一貫校から特色入試(AO入試)で京都大学薬学部に現役合格
中高時代は運動部の活動・個人研究・学業を両立
大学在学中は大手予備校の塾講師として勤務し、受験指導やメンタルサポートの経験を積む
卒業後は母校でアドバイザーとして高校生の指導、地元個人塾でカリキュラム作成、オンラインを中心とした受験コンサルティングも展開中

受験戦略編

Posted by kyoikujo