受験生の親御さんの関わり方|年末から共通テスト本番までに絶対やるべきこと
受験本番が近づき、共通テストまで残りわずかとなりました。
この時期、受験生本人以上に、親御さんの方がソワソワしたり、心配になっているというご家庭も多いのではないでしょうか。
お子さんは毎日、勉強や模試の結果、学校の空気、友人の様子など、外からの刺激を受けながら過ごしています。一方、親御さんは「見守るしかできない」という立場ゆえの不安を抱えやすく、家庭内での雰囲気が受験に大きな影響を与える時期でもあります。
実際に私自身も、受験前はとても敏感でした。母に後から聞いた話では、「落ち着いている素振りを見せていたけれど、家の中はピリピリと緊張していた」とのこと。受験生本人はもちろん、その周りにいる家族も、心の負担は大きかったのだと思います。
だからこそ、今お伝えしたいのは「親御さんの関わり方が、受験本番直前の力を引き出す鍵になる」ということです。
今回は、受験生の親御さんが年末までに意識してほしい5つのポイントについてお話しします。
緊張を見せない。いつも通りの空気を保つ
受験を控えたお子さんは、日々の勉強の積み重ねはもちろん、「不安」との戦いの中にいます。
そのうえで、家庭内が緊張で張り詰めた空気になってしまうと、心の逃げ場がなくなってしまいます。
「もっと頑張らないといけないよ」
「このままで大丈夫なの?」
このような言葉は、どんな意図を込めていても、受験生にとってはプレッシャーになります。
逆に
「何も言わず、いつも通りにしてくれている」
という環境は、本人にとって大きな安心につながります。
また、「頑張りすぎているから休んだら?」という言葉も、状況によっては負担になることがあります。休むかどうかは本人が決めたい時期です。
親御さんにできる最良のサポートは、「応援している姿勢を静かに、安定して保つこと」です。
体調管理は「お子さんと自分」両方が大切
この時期は、体調を崩すことが最大のリスクと言っても良いほど重要です。
受験直前期は、寒さ・乾燥・ストレス・睡眠不足・運動不足…と免疫が落ちやすい条件が揃っています。
さらに、学校や塾では感染症が広がりやすいタイミングでもあります。
ここで意識してほしいのが、「栄養・睡眠・温度管理」の3点です。
・たんぱく質をしっかり摂れているか
・炭水化物が不足していないか(脳のエネルギー源)
・ビタミンC・D・亜鉛など免疫に関わる栄養が取れているか
・身体を冷やす食事ばかりになっていないか
これは見た目の「食べている/食べていない」だけでは判断しにくい部分でもあります。
そして最も大切なのは、親御さん自身が体調を崩さないこと。
子どもは親の状態を敏感に感じ取ります。
大人が疲れていたり不安に揺れていたりすると、子どもも揺らぎます。
親御さんも休んでください。
温かい飲み物を飲んでください。
夜遅くまで不安を抱え込まないでください。
「親御さんが安定していること」そのものが、最高の栄養になります。
出願・移動・宿泊などの受験準備は親が支える
受験は勉強だけではありません。
願書、受験料、共通テスト利用の確認、各大学の出願条件確認、会場への移動、ホテルの予約など、事務的な作業がとても多くあります。
受験生本人がこれを全て行うのは負担が大きいです。
そして、年末〜年始はホテルや新幹線の予約が埋まりやすい時期でもあります。
とくに雪が降る地域への移動は、交通遅延も想定して余裕を持った計画が必要です。
・前泊できるか
・会場へのルートは分かりやすいか
・当日の昼食はどうするか
・早く着きすぎても待機場所はあるか
こういった「環境を整える力」は、親御さんが最も発揮できる部分です。
勉強はお子さんの役割。
環境整備は親御さんができるサポート。
この役割分担で、受験当日のお子さんの集中力が大きく変わります。
周りと比較しない。「うちの子」を信じる
受験直前期は、どうしても周りが気になりやすい時期です。
友達はどれくらい勉強しているか
模試の判定はどうか
塾の先生は何と言っていたか
しかし実際、ライバルは「学校の友人」ではありません。
相手は全国にいます。
見えない相手と戦っているからこそ、自分のペースを崩さないことが大切です。
親御さんが比較をしてしまうと、お子さんはもっと比較するようになります。
もし声をかけるとしたら、
「今までの積み重ねはちゃんとあなたの中にある」
「今は目の前の一つに集中しよう」
そんな言葉が力になります。
客観的な評価を伝える。「支える言葉」を選ぶ
お子さん自身は、今の自分の実力を冷静に判断することが難しい時期です。
そのため、親御さんは
・過小評価して不安になりすぎているときは「できている部分はここだよ」と支える
・過大評価して油断しているときは「ここはもう少し積み重ねよう」と促す
という「言葉の温度調整」が必要になります。
ただし、
「このままだと受からないよ」
「大丈夫、大丈夫、絶対合格できるって」
のような根拠のない言葉はどちらも逆効果です。
大切なのは、
できていること
まだ必要なこと
を、落ち着いた声で伝えることです。
親の言葉は、どんな参考書・どんな先生よりも心に影響します。
さいごに
受験は、お子さんだけの戦いではありません。
親御さんもまた、同じ時間を一緒に歩んでいます。
しかし、戦うのはお子さん自身です。
親御さんの役割は、「勝たせること」ではなく、「支え続けて見守ること」。
この残り1ヶ月は、
成果を伸ばす時期でもありますが、
気持ちを育てる時期でもあります。
どうか「安心できる居場所」として、家庭の空気を温かく保ってあげてください。
それだけで、お子さんは最後の一歩を強く踏み出せるようになります。
応援しています。
詳しくはYouTubeチャンネル「教育嬢TV」でもお話ししています。ぜひご覧ください🙇♀️

受験メンタルトレーナー/チャイルドコーチングアドバイザー/JAPAN MENSA会員
地方公立中高一貫校から特色入試(AO入試)で京都大学薬学部に現役合格
中高時代は運動部の活動・個人研究・学業を両立
大学在学中は大手予備校の塾講師として勤務し、受験指導やメンタルサポートの経験を積む
卒業後は母校でアドバイザーとして高校生の指導、地元個人塾でカリキュラム作成、オンラインを中心とした受験コンサルティングも展開中









